【弁護士が解説】安全配慮義務とは?企業に求められる責任と労災保険との関係をわかりやすく解説

労災事故に遭われ、心も体も大変つらい思いをされていることと思います。

「この事故、本当に自分の責任だけ?」
「会社には何も責任がないの?」
「労災保険って、結局何をしてくれるの?」

そんな不安を抱えているあなたのために、ここでは「安全配慮義務」について、弁護士が**とても分かりやすく解説します**。

安全配慮義務って、どんなルール?

結論から言います。**安全配慮義務違反とは、会社が「こうするべきだったのに、しなかった」という違反のことです。**

これは、会社が従業員を雇う上で守らなければならない、大切なルールです。

労働契約法という法律の第5条には、「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と書かれています。

この法律について詳細を知りたい方は、厚生労働省の公式ウェブサイトもご参照ください。

つまり、会社は単に給料を払うだけでなく、あなたがケガや病気をしないように、職場を安全に保つ責任があるのです。

もし会社がこのルールを破って、あなたに損害を与えたら、会社はあなたに**「損害賠償」**という形で責任を償わなければなりません。これは、会社の経営にも関わる、非常に重い問題なのです。

労災保険と安全配慮義務、どう違うの?

この2つは、まったくの別物です。

  • **労災保険**は、国が運営する**「保険」**です。事故に遭った人をすぐに助けることが目的で、会社に責任があるかどうかに関わらず、最低限のお金を支給してくれます。
  • **安全配慮義務**は、会社の**「責任」**です。従業員の安全を守るという、会社自身のルールです。このルールを破れば、会社は罰として損害賠償を求められます。

つまり、会社に安全配慮義務違反があった場合、あなたは「労災保険によるお金」に加えて、会社に「損害賠償のお金」も請求できる可能性があるということです。

労災保険だけでは足りないって本当?

はい、本当です。労災保険は、あくまで最低限の生活を保障するためのものです。

労災保険がカバーしてくれる主なものは、以下の通りです。

  • **治療費**: 病院代や薬代
  • **休業補償**: 仕事を休んだ間の給料の約8割
  • **障害補償**: 後遺症が残った場合のお金
  • **遺族補償**: 亡くなってしまった場合のお金

しかし、労災保険からは支払われない、とても大切なお金があります。それが、**「慰謝料」**と**「逸失利益」**です。

これらの損害は、会社に安全配慮義務違反があったと認められた場合、会社に直接請求することでしか得られません。

よくある質問 Q&A

Q1: 会社がルール違反をしたかどうか、どうやって判断するの?

弁護士は、主に次の3つのポイントから判断します。

  • **「予測できたか?」**:会社は、あなたの仕事に危険があることを予測できたか?
  • **「防げたか?」**:予測できた危険を、会社は防ぐための対策をしていたか?
  • **「つながり」**:会社の対策不足と、あなたのケガや病気に直接的な関係があるか?

この3つの条件が揃うことで、会社がルールを破ったと認められる可能性が高くなります。

Q2: 違反したら、法律の何条に当たるの?

主に民法という法律の以下の条文が根拠となります。

  • **民法第415条**(契約を守らなかった責任):会社が労働契約上の義務(安全配慮義務)を守らなかった場合の責任です。
  • **民法第709条**(不法行為の責任):会社の違法な行為によって、あなたに損害が出た場合の責任です。
  • **民法第715条**(使用者責任):上司や同僚のパワハラなど、他の従業員が起こした違法な行為に対する会社の責任です。

Q3: どこに相談すればいい?

労災事故の相談先はいくつかありますが、それぞれ役割が違います。

  • **労働基準監督署**:会社の法律違反を監督・指導してくれますが、あなたの代わりに会社へお金を請求することはできません。お近くの労働基準監督署については、厚生労働省のウェブサイトで検索できます。
  • **社会保険労務士**:労災保険の申請手続きの専門家ですが、裁判の手続きは扱えません。
  • **弁護士**:あなたの代理人として、会社と交渉したり、裁判をしたり、複雑な手続きをすべて代わりに行ってくれます。

あなたが完全に被害を回復したいと考えるなら、弁護士への相談が一番の近道です。

Q4: 公務員の場合はどうなるの?

公務員の場合も、国や地方公共団体は安全配慮義務を負うことが裁判で認められています。民間の労災保険にあたる「公務員災害補償制度」だけでは、慰謝料などが十分にカバーされないため、別途、国や地方公共団体に対して損害賠償を請求することを検討する必要があります。

弁護士に相談すべきタイミング

以下のような状況に直面したら、できるだけ早く弁護士に相談することをお勧めします。

私たちは、あなたが正当な補償を受けられるよう、適正な賠償額の計算、証拠集め、会社との交渉や裁判手続きを代行し、あなたの心と体をサポートします。

おわりに:私たち弁護士は、あなたの味方です

労災事故に遭われた今、一人で悩まずに、ぜひ私たち弁護士にご相談ください。
私たちは、あなたの状況に寄り添い、最善の解決策を一緒に見つけ出します。

無料相談はこちらから

まとめ

  • **安全配慮義務**とは、会社が従業員の安全を守る**「法的義務」**です。
  • **安全配慮義務違反**とは、「会社が**やるべきことをしなかった**」ということです。
  • **労災保険**は、最低限の生活を保障するための「保険」であり、慰謝料は含まれません。
  • 会社が安全配慮義務違反をしていた場合、**労災保険とは別に**、慰謝料などの損害賠償請求ができます。
  • もし、あなたが完全に被害を回復したいと考えるなら、労災事故に詳しい弁護士に相談することが、最も有効な選択肢です。

関連記事

労災事故の無料相談はこちら

お気軽にお電話ください

0120-122-138

【受付時間】8:00〜22:00(土日祝日含む)

労働補償給付を会社に代わって行います

労災隠しをしようとする会社、労災申請に非協力的な会社の場合、労災補償給付手続きがスムーズに進められない可能性があります。
この場合、弊所で労災補償給付の代行を格安で行います。