交通事故で加害者の「不誠実な対応」は慰謝料増額事由になる?具体的なケースと請求のポイント【越谷・埼玉対応】
目次
交通事故で加害者の「不誠実な対応」は慰謝料増額事由になる?具体的なケースと請求のポイント【越谷・埼玉対応】
交通事故の被害に遭われた際、身体的・精神的な苦痛に加え、加害者の事故後の対応に心を痛めるケースは少なくありません。
特に加害者の態度が不誠実である場合、「この精神的苦痛は慰謝料に反映されるのだろうか?」と疑問に感じる方もいるでしょう。
本記事では、加害者の不誠実な対応が交通事故の慰謝料増額事由として認められるのか、どのようなケースで増額が認められるのか、そして被害者が取るべき具体的な行動について、詳細に解説します。
越谷・埼玉地域にお住まいの皆様が、交通事故の被害に遭われた際に適切な賠償を受けられるよう、当事務所が専門的な知見を提供いたします。
はじめに – 交通事故慰謝料と加害者の「不誠実な対応」
慰謝料とは何か?その目的と算定基準の概要
交通事故における慰謝料とは、被害者が事故によって受けた精神的苦痛に対して支払われる賠償金です。
その主な目的は、被害者の精神的損害を金銭的に償うことにあります。
この慰謝料の算定には、主に「自賠責基準」「任意保険基準」「弁護士基準(裁判基準)」の3つの基準が存在します 。
詳細は以下の記事も参考にしてください。
交通事故賠償金の3つの基準(自賠責基準・任意保険基準・弁護士会基準)とは
これらの基準の中で、最も高額なのが「弁護士基準(裁判基準)」です。
この基準は、過去の裁判例に基づいており、裁判でも通用する法的正当性が高いものとされています 。
自賠責基準や任意保険基準は、被害の実態を十分に考慮しないことが多く、特に弁護士基準は自賠責基準の2〜3倍以上の金額になることも珍しくありません 。
入通院慰謝料は自賠責基準と裁判所基準でどれくらい違う?入通院慰謝料の計算式
被害者が適正な賠償、特に**弁護士基準**に基づく慰謝料を獲得しようとする際に、弁護士の存在は極めて重要です。
保険会社は、営利企業として賠償額を抑えようとする傾向があるため、被害者本人が交渉に臨む場合、弁護士基準での提示は期待しにくいのが実情です。
これは、被害者単独では裁判に訴える可能性が低いと判断されるためです。
しかし、弁護士が交渉に加わることで、保険会社は裁判に発展する可能性を意識せざるを得なくなり、結果として弁護士基準に近い、あるいは同等の金額での和解を検討するようになります。
この交渉力の変化は、被害者が正当な補償を得る上で不可欠な要素となります。
なぜ加害者の態度が慰謝料に影響するのか?
慰謝料は、被害者の精神的苦痛を償うものですが、加害者の事故後の態度や言動が、被害者の精神的苦痛をさらに増幅させることがあります。
例えば、加害者が反省の色を見せず、被害者を侮辱するような言動を取れば、被害者の苦痛は事故そのものによるものに加え、加害者の態度によって二重に深まることになります。
このような場合、通常の慰謝料額では公平性を欠くと判断され、増額が認められることがあります 。
ただし、慰謝料の増額が認められるのは、加害者側の悪質性が非常に高い「相当悪質なケース」に限定されるという認識が重要です 。単に謝罪がなかったり、お見舞いに来なかったりするだけでは、慰謝料の増額事由として認められることは稀です。
裁判所は、慰謝料の算定において、すでに被害者の精神的苦痛を包括的に考慮しているため、増額が認められるのは、その精神的苦痛の程度を「上回る」ような、著しく悪質な対応があった場合に限られるのです 。
本記事で解説する内容の紹介
本記事では、加害者のどのような「不誠実な対応」が慰謝料増額事由として認められるのか、具体的な事例や判例を交えて詳しく解説します。
また、慰謝料増額を目指す上で被害者が取るべき行動や、**弁護士に相談するメリット**についてもご紹介します。
越谷・埼玉での交通事故でお困りの方は、ぜひご一読ください。
慰謝料増額が認められる「不誠実な対応」とは?具体的な事例
加害者の「不誠実な対応」が慰謝料増額事由として認められるには、単に謝罪がなかったり、お見舞いに来なかったりするだけでは不十分であるとされています 。
これは、慰謝料が既に被害者の精神的苦痛を包括的に考慮しているためであり、増額が認められるのは、その精神的苦痛の程度を「上回る」ような、著しく悪質な対応があった場合に限られます 。
裁判所が「著しく不誠実」と判断するのは、加害者が自身の刑事責任を軽くしようと被害者に不合理な弁明を続けたり、責任を転嫁したりするなど、被害者の尊厳を著しく踏みにじるような行為があった場合です 。
これは、単なる社会的な共感の欠如と、積極的かつ有害な不正行為との間に明確な法的区別があることを示しています。
慰謝料の増額を正当化するためには、加害者の事故後の行動によって、事故そのものによる精神的苦痛とは異なる、追加的かつ明確な損害が発生している必要があります。
これは、加害者が事故後の行動(または不作為)によって、被害者をさらに苦しめることを防ぐという法的原則を反映しています。
証拠隠滅・虚偽の供述・責任転嫁
加害者が事故後に自己の責任を逃れるために証拠隠滅を図った場合、慰謝料増額事由として認められます。
具体的には、飲酒運転の証拠を消そうとするためにアルコールが抜けるまで時間稼ぎをしたり、消臭剤や口臭スプレーを使ったりする行為、ドライブレコーダーの記録を削除する行為、破損したナンバープレートを廃棄する行為、運行状況を記録したチャートを破棄する行為、事故後すぐに車の修理をする行為などが挙げられます 。
このような行為は、被害者にとって精神的な負担を増大させるだけでなく、公正な解決を妨げるものであり、法的に厳しく評価されます。
被害者への暴言・嫌がらせ・不当な態度
被害者に対して高圧的な態度を取ったり、暴言を吐いたり、嫌がらせをする行為も慰謝料増額の対象となり得ます 。
このような言動は、被害者の正当な苦痛を否定し、人格を攻撃するものであり、精神的苦痛を著しく増大させるため、慰謝料増額の根拠となります。
さらに、事故の被害弁済をしない、あるいは被害者が弁護士を立てたことを非難するといった行為も、不誠実な対応として考慮されることがあります 。
これらの行動は、加害者が自身の責任を回避しようとする姿勢や、被害者の権利行使を妨害しようとする意図を示すものとして、裁判所によって悪質性が評価される傾向にあります。
示談交渉の不当な拒否・遅延
示談交渉において、加害者側が正当な理由なく交渉を拒否したり、不当に引き延ばしたりする行為も、慰謝料増額事由となることがあります。
特に、一旦示談額を提示しながら、その後被害者の症状を「詐病」と主張して争うなど、態度を急に変えるケースは不誠実と判断されます 。
このような態度の変更は、被害者に不必要な混乱と精神的負担を与え、解決を遅らせるため、悪質性が高いとみなされます。
また、交通事故紛争処理センターのあっせんを拒否し、被害者に訴訟提起を余儀なくさせるような対応も、不誠実と評価される可能性があります 。
事故から3年経った後の示談交渉で、加害者側が当初認めていた過失を突如争うようになったケースで慰謝料が増額された判例も存在し、長期間にわたる不誠実な対応も増額事由となることが示されています 。
慰謝料算定の基本となる「赤い本」の別表の概要
慰謝料の算定において、裁判実務で広く用いられるのが、公益財団法人日弁連交通事故相談センター東京支部編の「民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準」、通称「赤い本」に掲載されている別表です 。
この別表には、傷害慰謝料の基準額が示されており、原則として入通院期間を基礎として算定されます。 慰謝料増額の議論は、これらの基本となる金額を前提に進められます。
※ なお、簡単に慰謝料を計算してみたい場合、以下を参考にして下さい。
【慰謝料のかんたん自動計算】入通院慰謝料・後遺障害慰謝料などを自動で計算
赤い本には、傷害の部位や程度に応じて主に二つの別表が用意されています。
交通事故 傷害慰謝料算定基準(弁護士基準/赤い本)の概要
| 基準の種類 | 適用される傷害の例 | 慰謝料額の傾向 | 算定の原則 |
| 別表I | 骨折、神経損傷など重傷の場合 | 高額 | 入通院期間を基礎とし、実通院日数の3.5倍程度を目安とすることもある [6] |
| 別表II | むち打ち症、軽い打撲・挫創など他覚所見のない軽傷の場合 | 別表Iより低額 | 入通院期間を基礎とし、実通院日数の3倍程度を目安とすることもある [6] |
例えば、通院のみの場合、別表Iでは1ヶ月で28万円、3ヶ月で73万円となる一方、別表IIでは1ヶ月で19万円、3ヶ月で53万円と、傷害の重さによって慰謝料額に大きな差があります [6]。
これらの基準額はあくまで目安であり、個別の事情、特に加害者の不誠実な対応がある場合には、この基準額から増額される可能性があるのです 。
不誠実な対応による慰謝料増額が認められた判例の解説
加害者の不誠実な対応が慰謝料増額事由として認められた具体的な裁判例を複数ご紹介します。
これらの事例は、どのような行為が「著しく不誠実」と評価され、慰謝料の増額につながるのかを理解する上で非常に参考になります。
ケース1:示談交渉における不誠実な態度(東京地判昭和63・1・22判タ661号225頁)
事案概要: このケースでは、加害者側が事故後、被害者に何の連絡もせず、被害者の訴えを「詐病」(病気を装っている)と一方的に決めつけました。
さらに、保険会社が一度提示した示談額を撤回し、交通事故紛争処理センターのあっせんも拒否したため、被害者はやむなく訴訟提起に踏み切らざるを得ない状況に追い込まれました 。
裁判所の判断: 裁判所は、加害者らの「不誠実極まりない態度」を慰謝料増額事由として明確に認めました 。
特に、被害者が紛争解決のために、交通事故紛争処理センターや日弁連の交通事故相談センターに再三赴き解決を求めようとしたにもかかわらず、加害者側が不合理な態度を取り続けた点が重視されました 。
この判決は、慰謝料増額の根拠となる「不誠実さ」が、事故直後の行動に限定されず、示談交渉や紛争解決のプロセス全体における加害者の態度にも及ぶことを示しています。
交渉が長引き、その過程で加害者側が不合理な主張を繰り返したり、一度提示した内容を覆したりすることは、被害者にとって精神的な負担を著しく増大させます。
このような行為は、事故による精神的苦痛とは別の、新たな精神的損害を生じさせるものとして評価され、慰謝料の増額につながるのです。 被害者にとっては、交渉過程での加害者側の言動も詳細に記録することが、後の増額請求において重要な証拠となり得ます。
ケース2:事故から3年後の態度変更(福岡地裁八女支部平成24年3月15日判決)
事案概要: この事案は、事故当時7歳6か月弱の被害者が飛び出したことによる交通事故でした。
加害者側は事故当初、自身の過失を認めていたにもかかわらず、事故から3年が経過した後の示談交渉の段階で、突如として過失を争う姿勢に転じました 。
この判例は、「不誠実な対応」が事故直後の行動だけでなく、賠償請求の長期にわたる過程で発生し得ることを示しています。
長期間にわたって被害者が加害者側の過失を前提に治療や生活再建を進めていたにもかかわらず、突然その前提を覆すような行動は、被害者に深刻な混乱、精神的苦痛、そして追加的な法的負担をもたらします。
このような行為は、法的プロセスを悪用し、被害者を不当に苦しめるものとして、慰謝料増額の重要な根拠となりま
す。 被害者側は、加害者やその代理人とのやり取りにおいて、言動の一貫性を常に確認し、記録に残すことが極めて重要です。
ケース3:飲酒運転後の不救護・不合理な弁解(東京地判平16.2.25)
事案概要: 飲酒運転で対向車線にはみ出し事故を起こした加害者が、事故後、被害者の救護活動を一切行わず、電話をしたり、排泄したり、喫煙したりする行為に及んだケースです。
さらに、捜査段階では「被害者が先にセンターラインを越えてきた」など、自身の責任を逃れるための不合理な供述を繰り返し行いました 。
裁判所の判断: 裁判所は、加害者の救護義務違反、不合理な弁解、遺族への不十分な対応などを総合的に考慮し、死亡慰謝料を大幅に増額しました 。
このケースでは、被害者本人の慰謝料2600万円に加え、遺族分として合計3600万円が認定されています 。
この判例は、加害者の「不誠実な対応」が、事故原因の悪質性(飲酒運転)と、事故後の行動(救護義務違反)および捜査段階での態度(虚偽供述)が複合的に重なることで、その悪質性が著しく増大することを明確に示しています。
被害者やその家族にとって、加害者が人命を軽視し、責任を逃れようとする姿勢は、事故による精神的苦痛をさらに深めるものです。
このような行為は、単なる過失を超えた、人間としての尊厳を無視する行為とみなされ、慰謝料の大幅な増額につながります。
被害者は、事故直後の加害者の行動、警察の捜査における供述内容、さらには遺族への対応など、あらゆる側面での加害者の言動を詳細に把握し、証拠化することが、包括的な賠償請求において極めて重要となります。
ケース4:スマホゲーム中の事故と事故直後の不誠実な態度(名古屋地裁一宮支判平31.3.28)
事案概要: スマートフォンゲームに熱中しながら運転し事故を起こした加害者が、事故直後、被害者の救護よりも自身の行動を優先し、被害者のそばを素通りしてコンビニへ向かうなど、積極的に被害者を助けようとしなかったケースです。 救急車や警察への通報は行ったものの、被害者への直接的な声かけや援助は怠りました 。
被害者自身の慰謝料2500万円に加え、両親に各200万円、兄弟に100万円、祖父母に各50万円が追加され、合計3100万円が認定されています 。
この判例は、事故直後の加害者の「人としての対応」の欠如が慰謝料増額事由となることを示唆しています。
法的義務としての救護義務だけでなく、被害者の苦痛に対する基本的な共感や援助の姿勢が欠けていた場合、それは被害者の精神的苦痛を一層深めるものと評価されます。
事故によって傷ついた被害者が、加害者から見捨てられたと感じることは、身体的損傷とは別の精神的打撃となります。
このような加害者の行動は、被害者の尊厳を軽視するものであり、慰謝料増額の根拠として考慮されます。
事故現場における加害者の具体的な行動(または不作為)に関する目撃証言や警察の記録などが、この種の不誠実さを証明する上で重要な役割を果たします。
ケース5:被害者に「当たり屋だな」と暴言(名古屋地判令3.7.21)
事案概要: 加害者が被害者に対し「当たり屋だな」(意図的に事故に遭うことで保険金詐欺を企む者)と繰り返し述べたケースです 。
裁判所の判断: この暴言が慰謝料増額の考慮要素の一つとされ、入通院慰謝料が20万円増額されました 。
この判例は、加害者の言動が被害者に対する直接的な精神的攻撃となる場合も、慰謝料増額の事由となり得ることを示しています。
被害者を「当たり屋」と非難する行為は、被害者の正当な損害賠償請求を貶め、その人格を攻撃するものです。
これは、事故による精神的苦痛に加えて、さらなる侮辱と精神的打撃を与える行為であり、被害者の尊厳を著しく傷つけます。
裁判所は、このような加害者の悪質な言動が、被害者の精神的苦痛を増大させるものと判断し、慰謝料の増額を認めました。
口頭での暴言は証拠化が難しい場合もありますが、目撃者の証言や、暴言によって精神状態が悪化したことを示す医師の診断書などが、有効な証拠となり得ます。
不誠実な対応を理由に慰謝料を増額させるためのポイント
加害者の不誠実な対応を理由に慰謝料の増額を目指す場合、被害者側は戦略的かつ冷静に行動することが不可欠です。
越谷・埼玉で交通事故に遭われた方も、これらのポイントを参考にしてください。
証拠の収集と記録の重要性(加害者の言動、交渉経緯など)
加害者の不誠実な対応を慰謝料増額事由として主張するためには、その事実を客観的に証明できる証拠が不可欠です。
感情的な訴えだけでは、裁判所や保険会社に認められることは困難です 。
- 加害者とのやり取りの記録: 電話の録音、メールやメッセージの保存(日時、内容、相手の言動を詳細に記録)。
- 警察への供述調書: 事故状況や加害者の態度について、警察に正確に供述し、記録に残してもらう。
- 医師の診断書: 精神的苦痛(不眠、不安、うつ症状など)が加害者の不誠実な対応によって悪化した場合は、その旨を医師に伝え、診断書に記載してもらう。
- 示談交渉の経緯を示す書類: 保険会社からの提示書、交渉のやり取りを記録したメモ、交通事故紛争処理センターのあっせん記録など。
- ドライブレコーダーの映像: 事故直後の加害者の行動や言動が記録されている場合、重要な証拠となります。
- 目撃者の証言: 加害者の不誠実な言動を目撃した人がいれば、その証言を確保する。
特に、加害者の虚偽供述や証拠隠滅の試みがあった場合は、その事実を明確に記録しておくことが重要です 。
これらの客観的な証拠が、不誠実な対応の事実と、それが被害者に与えた追加的な精神的苦痛を法的に証明する上で不可欠となります。
感情的にならず冷静に対応することの必要性
加害者の不誠実な態度に直面すると、怒りや悲しみ、苛立ちといった感情が湧き上がるのは当然の反応です。
しかし、感情に任せて加害者と直接接触したり、交渉で大幅な増額を感情的に主張したりすることは避けるべきです 。
法的プロセスは、客観的な証拠、論理的な主張、そして確立された判例に基づいて進行します。
感情的な言動や誇張された主張は、たとえそれが真の苦痛に根ざしていたとしても、裁判所や相手方弁護士の目には被害者側の信用性を損なうものと映る可能性があります 。
これにより、本来の法的争点から注意が逸れ、相手方に被害者側の主張を軽視する口実を与えてしまうこともあります。
さらに、加害者との直接的な感情的対立は、被害者自身の精神的負担をさらに増大させたり、場合によっては加害者から逆に不当な訴えを起こされ、トラブルがより複雑化するおそれもあります 。
このような状況において、冷静さを保つことは、被害者自身の精神的健康を守る上でも、また、法的戦略を有利に進める上でも極めて重要です。
弁護士に相談・依頼するメリット(弁護士基準の適用、交渉代行、専門的知見)
加害者の不誠実な対応を理由に慰謝料増額を求める場合、弁護士への依頼は非常に有効な手段です。 弁護士は、被害者が直面する法的・精神的負担を軽減し、適正な賠償を獲得するための強力な味方となります。 越谷・埼玉地域で交通事故に強い弁護士をお探しなら、当事務所にご相談ください。
- 弁護士基準の適用: 弁護士が介入することで、保険会社は裁判を意識し、最も高額な「弁護士基準(裁判基準)」での慰謝料支払いを検討する可能性が飛躍的に高まります 。被害者単独でこの基準の金額を獲得することは極めて困難であるとされています 。
弁護士は、過去の判例や法的根拠に基づき、保険会社に対して正当な慰謝料額を強く主張することができます 。
- 交渉代行と専門的知見: 弁護士は、法的根拠や本記事で紹介したような過去の判例を挙げながら、効果的かつ効率的に交渉を進めることができます 。
加害者の不誠実さを客観的に評価し、それが慰謝料増額に値する理由を法的に主張する専門知識を持っています 。
弁護士が交渉を代行することで、被害者は感情的な対立を避け、専門家による冷静な判断と戦略的な交渉に任せることができます。
- 精神的負担の軽減: 弁護士が交渉を代行することで、被害者は加害者や保険会社との直接のやり取りから解放され、精神的な負担を大きく軽減できます 。
事故による心身の回復に専念できる環境を整えることは、被害者にとって非常に重要です。 弁護士は、被害者の感情的な緩衝材となり、法的側面と精神的サポートの両面から被害者を支えます。
弁護士の役割は、単に高額な賠償金を得るためだけではありません。
弁護士は、被害者が不誠実な加害者との直接的なやり取りから受ける精神的ストレスを軽減し、被害者が回復に集中できる環境を整えるという重要な役割も担っています。
この交渉力と精神的サポートの相乗効果こそが、弁護士に依頼する最大のメリットと言えるでしょう。
弁護士費用特約の活用
弁護士に依頼する際の費用が心配な場合でも、**弁護士費用特約**が付帯していれば、多くの場合、自己負担なしで弁護士に依頼できます 。
この特約は、ご自身が加入している自動車保険などに付帯していることが多く、保険会社が弁護士費用を一定額まで負担してくれる制度です。
この特約を活用することで、費用倒れのリスクを回避しつつ、金銭的な不安なく専門的サポートを受けることが可能になります 。
まずはご自身の保険契約を確認することをお勧めします。
加害者の態度以外で慰謝料が増額される主な事由
慰謝料の増額事由は、加害者の不誠実な態度に限りません。 以下のような事情も、慰謝料増額の判断材料となります。
これらの要因は、加害者の不誠実な態度と複合的に作用し、慰謝料額をさらに押し上げる可能性があります。
事故態様
加害者の行為が特に悪質である場合、慰謝料が増額される可能性が高まります 。
これは、事故を引き起こした加害者の行為そのものに、強い非難が向けられるべきと判断されるためです。
具体例としては、以下の行為が挙げられます。
- 飲酒運転、酒気帯び運転: 飲酒状態での運転は、極めて危険かつ悪質な行為とみなされます 。
- 救護義務違反(ひき逃げ): 事故を起こしたにもかかわらず、被害者を救護せず現場から逃走する行為は、人命軽視の態度として厳しく評価されます 。
- 速度超過、信号無視: 法定速度を大幅に超える速度での運転や、信号無視といった重大な交通違反は、事故の危険性を著しく高める行為です。
- 居眠り運転、無免許運転、脇見運転: これらも、運転者としての基本的な注意義務を怠った、あるいは資格がないにもかかわらず運転した悪質な行為とみなされます 。
例えば、意図的に事故を起こした場合や、少しの配慮で防げたような重大な不注意があった場合(例:居眠り運転)などがこれに該当します。
加害者の悪質な行為が事故の原因となり、さらに事故後に不誠実な態度を取る場合、その全体的な責任は著しく増大します。
これは、被害者が経験する精神的苦痛が、事故そのものによるものと、その後の加害者の悪質な行動によって再被害化されることの複合的な結果であると評価されるためです。
被害の程度
被害者が受けた傷害の程度は、慰謝料額を決定する最も基本的な要素の一つです。
- 怪我の程度が重い、後遺障害が残った、または死亡事故の場合、慰謝料は高額になります 。
特に、生死が危ぶまれる状態が継続した、麻酔なしでの手術など極度の苦痛を被った、手術を繰り返したなどの事情も増額考慮されます 。
- 事故が原因で精神疾患(うつ病、PTSDなど)に罹患した場合も、精神的苦痛が大きく、慰謝料増額の対象となり得ます 。
身体的な怪我だけでなく、精神的な健康への影響も、慰謝料算定において重要な要素となります。
被害者の生活への影響
交通事故が被害者やその家族の生活に甚大な影響を与えた場合も、慰謝料増額事由として考慮されます 。
例えば、以下のようなケースが挙げられます。
- 被害者が重傷を負い、家族が介護のために仕事を辞めざるを得なくなった。
- 死亡事故において、子どもが両親を失い、精神的に不安定になったり、葬儀に参列できなかったりした 。
事故により、被害者の職業や社会的地位が著しく損なわれた。
これらの事情は、被害者だけでなくその家族にも及ぶ精神的、経済的苦痛を反映するものであり、慰謝料を算定する上で個別の事情として考慮されるべきものです。
まとめ:慰謝料増額を目指す被害者の方へ【越谷・埼玉対応】
交通事故において、加害者の不誠実な対応は、被害者が被る精神的苦痛をさらに深めるものであり、慰謝料増額事由として認められる可能性があります。
しかし、「著しく不誠実」と判断されるには、単なる謝罪の欠如ではなく、証拠隠滅、虚偽供述、被害者への暴言、不当な示談交渉拒否など、客観的に悪質と評価される行動が必要です。
これらの複雑な状況で適正な慰謝料、特に**「弁護士基準」**に基づく増額を獲得するためには、専門知識と交渉力を持つ弁護士のサポートが不可欠です。
弁護士は、加害者の不誠実な対応を法的に評価し、適切な証拠を収集・提示することで、慰謝料の増額を効果的に主張できます。
また、被害者が加害者や保険会社との直接のやり取りから解放され、精神的な負担を大きく軽減できるという側面も、弁護士に依頼する大きなメリットです。
感情的にならず、冷静に証拠を収集し、弁護士と連携することで、被害者は正当な権利を守り、より良い解決を目指すことができます。
**弁護士費用特約**の活用も、金銭的な不安なく専門的サポートを受けるための重要な手段です。
もし加害者の不誠実な態度に悩み、適正な慰謝料獲得に不安を感じているのであれば、一人で抱え込まず、まずは**越谷・埼玉地域に根差した交通事故問題に強い弁護士**に相談することをお勧めします。
当事務所は、越谷・埼玉の皆様の交通事故問題に真摯に向き合い、最適な解決へと導くお手伝いをいたします。 専門家の知見とサポートが、あなたの正当な権利を守るための大きな力となるでしょう。





